阪神タイガースはあと何勝すればよいか2005
9月28日版


このページでは、阪神が優勝を確定させるために必要な勝利数を算出する。
優勝決定の前提となるセ・リーグの順位決定方法については、セ・リーグ公式サイトのQ&Aを参照してもらいたい。
簡単に言えば、
・順位は勝率により決定される。
・勝率で並んだ場合には勝利数の多い方が上位になる。
ただし、1位を決定する場合には少し複雑になり、プレーオフを行わずに優勝を確定させるためには次の条件を満たす必要がある。
・勝率及び勝利数のうち一方が単独1位であり、かつ他方が2位以下でないこと(注1

これらを考慮すると、阪神は他の5球団全てに対してそれぞれ次の条件を満たせば、他の5球団より上位になること(すなわち優勝)を確定させることができる。
・勝率及び勝利数のうち一方で上回り、かつ他方で下回らないこと
ここでは上記の条件を「上位確定条件」という。

さて、9月28日現在の成績表は次の通り(必ずしも順位通りに並んでいるわけではない)。

1 阪神   140試合 83勝 52敗 5分 残り6試合
2 中日   138試合 76勝 61敗 1分 残り8試合(うち阪神戦0試合)
4 ヤクルト 134試合 65勝 69敗 0分 残り12試合(うち阪神戦3試合)
5 巨人   141試合 60勝 77敗 4分 残り5試合(うち阪神戦1試合)
6 広島   138試合 55勝 80敗 3分 残り8試合(うち阪神戦0試合)
3 横浜   135試合 64勝 65敗 6分 残り11試合(うち阪神戦2試合)

以下、他の5球団に対してそれぞれ上位確定条件を満たすためには阪神があと何勝すればよいかを1球団ずつ算出する。

(1)中日

まず、中日に注目する。
中日が残り試合(8試合)に全勝すると仮定する。
すると最終成績は、
中日 84勝61敗1分
となる。

一方阪神は、他の球団との残り試合(6試合)で1勝すると、
阪神 84勝57敗5分
となる。
阪神は、中日を勝率で上回り、勝利数でも下回らない。
すなわち、中日が残り試合に全勝したとしても、阪神は残り6試合で1勝(5敗)すれば中日に対して上位確定条件を満たす。
この結果を「中日に対するマジックM(D)は1である」ということにする。

(2)ヤクルト

次に、ヤクルトに注目する。
ヤクルトが残り試合(12試合)に全勝すると仮定する。
すると最終成績は、
ヤクルト 77勝69敗0分
となる。

一方阪神は、残り試合(6試合)に全敗しても
阪神 83勝58敗5分
となり、阪神はヤクルトを勝率及び勝利数の双方で上回る。
すなわち、阪神は既にヤクルトに対して上位確定条件を満たしている。
この結果を「ヤクルトに対するマジックM(S)は0である」ということにする。

(3)巨人

次に、巨人に注目する。
巨人が残り試合(5試合)に全勝すると仮定する。
すると最終成績は、
巨人 65勝77敗4分
となる。

一方阪神は、残り試合(6試合)に全敗しても
阪神 83勝58敗5分
となり、阪神は巨人を勝率及び勝利数の双方で上回る。
すなわち、阪神は既に巨人に対して上位確定条件を満たしている。
この結果を「巨人に対するマジックM(G)は0である」ということにする。

(4)広島

次に、広島に注目する。
広島が残り試合(8試合)に全勝すると仮定する。
すると最終成績は、
広島 63勝80敗3分
となる。

一方阪神は、残り試合(6試合)に全敗しても
阪神 83勝58敗5分
となり、阪神は広島を勝率及び勝利数の双方で上回る。
すなわち、阪神は既に広島に対して上位確定条件を満たしている。
この結果を「広島に対するマジックM(C)は0である」ということにする。

(5)横浜

次に、横浜に注目する。
横浜が残り試合(11試合)に全勝すると仮定する。
すると最終成績は、
横浜 75勝65敗6分
となる。

一方阪神は、残り試合(6試合)に全敗しても
阪神 83勝58敗5分
となり、阪神は横浜を勝率及び勝利数の双方で上回る。
すなわち、阪神は既に横浜に対して上位確定条件を満たしている。
この結果を「横浜に対するマジックM(B)は0である」ということにする。

(6)まとめ

各球団に対するマジックM(x)を整理する。
M(D)=1 ★
M(S)=0 ★
M(G)=0 ★
M(C)=0 ★
M(B)=0 ★
★印は、残り試合に全勝しても阪神の成績によっては阪神より上位になることができない球団、つまり(阪神に対して)自力優勝の可能性のない球団に対するマジックであることを示す。

マジックM(x)を比較すると、M(D)が最大でその値は1である。
これらの結果から、阪神が残り6試合で1勝すれば、5球団全てに対してそれぞれ上位確定条件を満たす。
すなわち、阪神は対戦相手に関わらずあと1勝すれば優勝が確定する
これは、他の5球団がそれぞれ残り試合に全勝するという仮定に対しても矛盾することはない。
したがって、阪神にマジックナンバー1が点灯していることになる。
マジックの対象となる球団(マジック対象チーム)は、M(x)の値が最大の中日である。
マジック(必要勝利数)の推移

最後に、マジックナンバーについて確認しておく。
1.マジックナンバーは、優勝確定に必要な勝利数の最大値である。
2.マジックナンバーは増加することがない。
3.マジックナンバーは、他球団のうちいずれかの自力優勝の可能性が復活したときに消滅する。
4.マジックナンバーは、マジック点灯チーム(阪神)の勝利により1つ減少する。
5.マジックナンバーは、マジック対象チーム(2位とは限らない)の敗戦により1つ減少する。ただし、マジック対象チームが入れ替わった場合にはこの限りでない。
6.マジックナンバーが0になった時点で優勝が確定する。


注1)
正確には、これは十分条件であって必要条件ではない。勝率単独1位の球団は、その勝利数が勝率2位の球団の勝利数以上であれば、たとえ勝利数2位以下であっても優勝が決定する(例えば、球団A、B、Cの勝率がA>B>Cで勝利数がC>A≧Bの場合は球団Aの優勝)。しかし、そのような状況になる確率は極めて低いと思われること、また仮にズレが生じたとしても必要勝利数が減る方向であることから、そこまで考慮する必要はないと考えた。

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